バックエンドエンジニアロードマップ

分散システムとスケーリング

この記事では、バックエンドエンジニアとして大規模なWebサービスの安定性やパフォーマンスを保つために必要な、分散システムとスケーリングの基本を解説します。

分散システムとは?

分散システムとは、複数のコンピューターやサービスを連携させ、1つのシステムとして機能させる設計手法です。これにより、可用性・スケーラビリティ・フォールトトレランス(障害耐性)が向上します。

水平スケーリング vs 垂直スケーリング

スケーリングには以下の2つの手法があります。

  • 水平スケーリング
    • 多数のサーバーを並列に追加し負荷を分散します。
    • クラウドサービスでよく利用され、コスト効率に優れます。
  • 垂直スケーリング
    • 単一のサーバー性能を強化(CPU、メモリを増強)します。
    • 単純ですが、スケールに限界があり、コストも高くなる傾向があります。

シャーディングとロードバランサ

  • シャーディング: データベースを分割し、負荷分散と性能向上を図ります。大規模なデータ処理に効果的です。
  • ロードバランサー
    • 複数のサーバーにリクエストを均等に分散し、システムの安定性を高めます。
    • 代表例はAWS ELBやNginxなどがあります。

CAP定理(分散システムのトレードオフ)

分散システム設計において、CAP定理は以下の3つの特性のうち2つまでしか同時に実現できないことを示しています。

  • 一貫性(Consistency)
  • 可用性(Availability)
  • 分断耐性(Partition Tolerance)

システム設計の際にはこれらのトレードオフを考慮して設計します。

推奨される学習順序

  1. 水平スケーリング・垂直スケーリングの基本を理解
  2. シャーディングやロードバランサーの導入手法を実践的に学ぶ
  3. CAP定理の理解を深め、実際の分散システム設計に活用

次のステップ

分散システムとスケーリングの理解を深めたら、CQRSやイベントソーシングなど、さらに高度なアーキテクチャパターンを学習していきましょう。

参考リンク

-バックエンドエンジニアロードマップ
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